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エルサレムの聖墳墓教会 [古代・初期キリスト教美術]

エルサレム、聖墳墓教会のアナスタシス・ロトンダ

11世紀初頭に破壊される以前のエルサレムの聖墳墓記念聖堂 巡礼者によって描かれた平面図

キリスト教世界における最も重要な霊廟建築がエルサレムの聖墳墓教会、アナスタシス・ロトンダであったことに関して異論を差し挟む余地はないであろう。初期キリスト教時代から中世を通じて、キリストの墳墓であるアナスタシス・ロトンダは複製され続け、多くの遺構が現存している。エルサレムの聖墳墓教会は、コンスタンティヌス大帝により4世紀に建設された聖地のマルティリウム群の中核をなす建物である。これは岩に掘られたキリストの墓、コンスタンティヌスの母后ヘレナによる真の十字架発見の場所、ゴルゴダの丘にある磔刑の場所の三カ所を同時に記念する建築であった。これらに対応して、聖墳墓を覆うアナスタシスと呼ばれる円形堂、聖十字架断片崇拝の儀式が行われた中庭、地下に十字架発見の場所のあるバシリカの3つの部分から構成されていたと考えられている。3番目のマルティリウムと呼ばれるバシリカにはギャラリーがあった、とカイサリアのエウセビオスが記録している。これと同様、4世紀に建設されたアナスタシス・ロトンダにも階上ギャラリーがあったと考えられている。また、アナスタシス・ロトンダの内部にはキリストの墓を覆う円柱に支えられた天蓋があり、聖墳墓は二重の構築物によって覆われていた。内部の小規模な構築物はトゥグリウムtugriumと呼ばれている。聖墳墓教会の復元に関しては1914年のヴァンサンとアベルによる復元図が一般的であり、コナントもこれを踏襲している。他方、クラウトハイマーはこれらと異なる復元案を提示しているが、いずれにせよ、アナスタシス・ロトンダの象徴的建築モチーフがギャラリーであったという点では変わりがない。

 

聖墳墓教会の特質

1. 円形・八角形プラン 
2. 垂直の中心軸が空間構成を支配(集中式) 
3. ドーム 
4. 環状ギャラリー 
5. 多層構成(三層または四層) 
6. 数の象徴的意味(8:復活、12:十二使徒) 
7. イェルサレムのオリジナルに基づく寸法 
8. 墳墓・祭壇

 

アナスタシス・ロトンダの複製建築

フランス, ヌーヴィー・サン・セピュルクル, 聖墳墓教会, 11世紀

イギリス, ケンブリッジ, 聖墳墓教会, 12世紀初頭(あるいは1130年頃)

ドイツ, フルダ, ザンクト・ミヒャエル教会, 820-822年(地上部分は11世紀に改築)

ドイツ, パーダーボルンのブスドルフ教会(マインベルク司教の聖墳墓教会), 11世紀前半


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