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ヴァチカン、サン・ピエトロ旧聖堂 [古代・初期キリスト教美術]

64-68年頃    聖ペテロの殉教。墓の上にガイウスのトロフェーオが作られる
319-322年の間  旧サン・ピエトロ大聖堂 建設開始
324-329年の間  旧サン・ピエトロ大聖堂 ほぼ完成
15世紀          深刻な損傷を被る(?)
1506-1608年    新聖堂の建設に伴い旧聖堂は取り壊される。(身廊の東側部分は残される。ペテロのメモリアの上には保護建築物が建設された。)

コナントによる復原鳥瞰図

ジョヴァナントニオ・ドシオの素描 (1560年頃) 画面奥は建設途中の新聖堂のドーム鼓胴部。

西側ファサード復原図 (製図:小倉康之)

 

復原平面図 (製図:小倉康之、アルファラーノの図面に基づく)

アルファラーノによる平面図

旧サン・ピエトロ大聖堂の建築を特徴付ける最も重要な造形的要素は「貫通型トランセプト」である。

貫通型トランセプトの内壁は、ふつう壁画サイクルによって(時計回り、あるいは反時計回りの動線が設定されていた。一般信者や巡礼者は、この直方体の空間内に配置された「メモリア、石棺、墓所、祭壇」を自由にみてまわることができた。

貫通型トランセプトは、時間によって「霊廟空間」と「典礼空間」とに使い分けられていた。ロマネスクの建築家が旧サン・ピエトロ大聖堂を手本として建築する際には、このような二重の宗教上の機能を前提として、平面構成を考えた。


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