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中央大学クレセント・アカデミー [講演・公開講座のご案内]

中央大学クレセント・アカデミー2007年度総合講座(秋期)

もうひとつのヨーロッパ -美術と歴史のまん中と周縁-

内 容

ヨーロッパの別の顔を楽しむ講座です。美術史学ばかりでなく歴史学の分野から、しかも全国から先生方をお招きしています。石に刻まれたヴァイキングの美術、ロッククライミングしないと辿りつけないエチオピアの岩窟教会、ポーランドのロマネスク聖堂など、ちょっと珍しいお話もあれば、ローマに行ったらぜひ見たいイタリア・バロック美術の面白さを丁寧に読み解いたり、誰でも知っている画家ミケランジェロやセザンヌをちょっと違った角度で眺めたり。ヨーロッパ千年の歴史を美術をみながら辿ります。    

〈ロマネスク美術のひろがり〉       10/13  金沢
11世紀から12世紀、ヨーロッパに花開いたロマネスク美術には、独特の魅力があります。強い日差しを避けてひんやりとした堂内に入ったときの心地よさ、野原の真ん中にぽつんと建つ聖堂をようやく見つけたときの喜びは忘れられません。しかし、ふと振り返ってみると、同じ「ロマネスク」でも、国によってさまざま。講義では、スペイン、イタリア、フランス、そしてポーランドやイギリスのロマネスクを比較しながら、ロマネスクの国際性について考えます。

〈ヴァイキング美術とルーン石碑〉     10/20  小澤
ヴァイキングは単なる略奪者ではない。彼らは同時代のヨーロッパ世界にあって、類まれなる装飾芸術を生み出した。身体宝飾、宗教器具、武器、ヴァイキング船、ルーン石碑・・・。いずれも他のヨーロッパ世界では見ることのできない文様が、特異な文法にしたがって刻印されている。このようなヴァイキング芸術は、どのようにして生成し、どのような機能を果たしていたのだろうか。それが生み出された紀元千年前後のスカンディナヴィア社会というコンテクストの中に置きなおすことによって、考えてみたい。

〈イタリア・バロック美術の成立と展開〉  10/27  宮下
バロック美術は、西洋が生んだもっとも西洋らしい美術といわれ、イタリア美術の中心をなしているといっても過言ではありません。それは、絵画・彫刻・建築が結びついた演劇的な総合芸術でした。この講義では、バロック美術の創始者カラヴァッジョから、天才彫刻家・建築家ベルニーニを経て、まばゆい天井画にいたるイタリアのバロック美術の展開をわかりやすく説明いたします。
 
〈エチオピアのキリスト教美術〉        11/10   米倉
エチオピア北部ティグレ地方は標高が高く、その地形を生かした、凝灰岩の岩山を穿った岩窟教会堂が多数あるが、その中には豊かな内部装飾が施されたものもある。これらの調査に基づき、壁画のブログラムや図像様式を考察する。同時に史的・地理的背景などを解説しながら、エチオピア独特の聖人図像やイエズス会が持ち込んだ聖母子図の影響などにも触れる。さらに、岩窟教会堂の保存や修復、「文化遺産」と観光といった問題にも言及したい。

〈セザンヌのリンゴをめぐって〉        11/17   安藤
セザンヌは「リンゴ一つでパリ中を驚かしてやる!」と仲間に言った通り、リンゴに象徴されるセザンヌの静物画は、見る者全てに驚嘆させる力を持って私たちに迫ってきます。セザンヌは第一回印象展にピサロの薦めに従って参加し、印象派たちとの交流がありましたが、印象派の絵画を越える作品を目指し、生涯をとおして様々な造形的な挑戦を行っています。本講座では、セザンヌの造形性を同時代の印象派の画家たちと関連性や次世代の画家たちへの影響とともにご紹介したいと思います。

〈ミケランジェロの建築〉            11/24   小倉
イタリア・ルネサンスを代表する彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティは、システィーナ礼拝堂壁画を描いた画家としても著名です。しかし、彼が偉大な建築家でもあることは、しばしば見過ごされています。彼は70歳を過ぎてからヴァチカン、サン・ピエトロ大聖堂の主任建築家となり、カンピドリオ広場の整備計画、フィレンツェのラウレンツィアーナ図書館階段室などを手がけました。この講義では、ミケランジェロの建築に注目し、その歴史的定位についてお話し致します。
その他  

講師
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小澤 実(おざわ みのる)
国際医療福祉大学非常勤講師

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宮下 規久朗(みやした きくろう)
神戸大学大学院人文学研究科准教授

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金沢 百枝(かなざわ ももえ)
國學院大學非常勤講師

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米倉 立子(よねくら りうこ)
西南学院大学博物館学芸員

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安藤 智子(あんどう ともこ)
茨城大学人文学部非常勤講師

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小倉 康之(おぐら やすゆき)


 

講座コード A2612
曜日・時間 土曜日 11:00~12:30

開講日 春期6回
5/19、6/2・9・16・23・30
秋期6回
10/13・20・27、11/10・17・24

開講場所 駿河台記念館
費 用 秋期 14,000円

http://www2.tamacc.chuo-u.ac.jp/crescent/

http://www2.tamacc.chuo-u.ac.jp/crescent/cre17s/A3612.htm


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