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朝日カルチャーセンター土曜講座 「ロマネスクの美術と建築」 [朝日カルチャーセンター]

ACC新宿の皆様へ

 いつもご来聴頂きありがとうございます。これまでロマネスク建築の講座では、ラインラント、カタルーニャ、ブルゴーニュ、アルザス、プロヴァンスなど、地方ごとに異なるロマネスク建築の造形的特質について考察して参りました。このシリーズは今回のプロヴァンス篇をもって終了となります。

 10月期からはロマネスク建築だけでなく、絵画・彫刻・工芸作品も含めた西洋中世美術史・建築史の講座として、新たな企画をスタートさせたいと思っております。まず、第1回目のテーマとして、4世紀以降の初期キリスト教美術をロマネスク美術の造形的源泉として位置付けたいと思います。今後は、ロマネスクとイスラーム、ロマネスクとビザンティンなど、国別・地方別の枠組みを越え、広い視野から総合的に考えることができるテーマを設定したいと思います。

 また、水曜講座「西洋美術史20講」にご参加くださっている皆様には、7月期の「ロマネスク・ゴシック篇」をきっかけに、中世美術に関するより詳しい内容の講座をご希望の方もいらっしゃるかと存じます。これまでは水曜日の美術史通史と土曜日の建築史特論との間にかなりの隔たりがありましたが、今後は土曜講座を美術史・建築史特論とし、水曜日の美術史通史の延長上に位置付けていきたいと存じます。

 講座リーフレットを執筆した時点では、まだ構想が十分に練れていなかったため、リーフレットの原稿は、方法論について言及するのみで、具体的な内容にまで踏み込んでおりませんでした。わかりづらくなってしまった点をお詫びしつつ、以下に各回の詳細を補足させて頂きたいと存じます。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

ロマネスクの美術と建築 ―その起源を求めて―

 

第1回 10月13日  キリスト教美術の源流-禁教時代の埋葬美術

古代ローマの霊廟建築と装飾(壁画・彫刻)の表現形式、象徴的意味について考えます。そして、それらが初期キリスト美術に与えた影響について検証し、ロマネスク芸術の造形的源泉を探ります。考察の対象としては、地中海地域のさまざまな霊廟建築、初期キリスト教時代の壁画や石棺などを取り上げる予定です。

第2回 11月10日  集中式建築とバシリカ式教会堂-ロマネスク建築の起源

ミラノ勅令以後、殉教者記念堂(マルティリウム)・洗礼堂としては「集中式建築」、ミサを行うための典礼空間としては「バシリカ」が建設されるようになりました。これらを構造、様式、空間シンボリズムの観点から考察し、ロマネスク建築の代表的な作例と比較します。


第3回 12月8日  初期キリスト教時代の絵画と彫刻-ローマ・ラヴェンナを中心に

4世紀以降、各地に大規模な教会堂が建設されるようになると、これに伴い、モザイク壁画による組織的なキリスト教図像が成立します。既に失われたものが多いのが現状ですが、現存する作品を可能な限り集め、その全容解明を目標とします。モザイク壁画や浮彫など、初期キリスト教美術をより深く理解することで、ロマネスク美術への新たな視座を築きます。

日時   土曜日  10:30~12:30  全3回
場所   新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター(申し込みは4階受付)

http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/index.html


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