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【人名】 プッチ・イ・カダファルク [美術・建築用語集]

【プッチ・イ・カダファルク】 Josep Puig i Cadafalch

1909年から1918年にかけて『カタルーニャ・ロマネスクの建築』全3巻(共著)を著し、カタルーニャにおけるロマネスク建築研究の基礎を築いた研究者。「第一ロマネスク」という様式概念を提唱し、以後、プレ・ロマネスク期、初期ロマネスク期、盛期ロマネスク期・・・という厳密な時代区分が行われるようになった。各国で講演し、その後の中世美術史・建築史研究に多大な影響を及ぼした。プッチは建築家としても知られ、ガウディ、ドゥメナクと並ぶムダルニズマ(モデルニスモ)建築の三巨匠の一人として位置付けられている。ロマネスク、ゴシックを基調とした中世主義的な作風で知られた。棘の家(写真)、アマッリェー邸(バッリョー邸/カサ・バトリョの隣の建物)など、数多くの住宅建築を手がけた。1929年のバルセロナ万博(ムンジュイック/モンジュイックの丘)の全体計画を担当し、カタルーニャの言語・文化の復興を目指したカタルーニャ主義を唱道した。カタルーニャ連合議会(マンクムニタット)第二代議長を務めるなど、政治家としても多大な影響力があったが、プリモ・デ・リベーラのクーデターにより失脚、1936年には亡命を余儀なくされた。その後は美術史家・建築史家として活躍し、数多くの著書・論文を発表した。晩年はバルセロ―ナに戻り、カタルーニャ文化の復興に尽力した。


ボルドウィン・スミス 『建築シンボリズム』 [書誌情報]

朝日カルチャーセンター新宿、4月期の講義では、以下の文献に基づいて盛期ロマネスク建築の西正面構成について考察します。

Smith, E. B.: Architectural Symbolism of Imperial Rome and the Middle Ages, Princeton, 1956.
1978年にニューヨークで再版本も出ています。講義の際に持参いたしますので、ご興味のある方はラウンジのコピー機で複写なさってください。

なお、最近待望の邦語訳が出ました。大変高価な本なので図書館でお探しになることをお勧めします。

E.ボルドウィン・スミス 『建築シンボリズム-帝政ローマと中世における-』 河辺泰宏他訳、中央公論美術出版、2002年

中世における皇帝崇拝、教皇崇敬の儀礼について、建築とからめての言及があり、興味深い文献です。


横浜スペイン協会スペイン・サロン スペイン・ゴシックの大聖堂 [講演・公開講座のご案内]

横浜スペイン協会スペイン・サロン

スペイン・ゴシックの大聖堂

-造形上の特質と象徴的意味-

講師:小倉康之

日時: 3月18日(土) 14:00-15:30

会場: 横浜市市民活動支援センター4階研修室1 (横浜市中区桜木町1-1-56, TEL. 045-223-2666

参加費: 会員1,000円 一般1,200円

スペイン・サロンの報告記事が以下のホームページに掲載されました。当日ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。

http://www.yokohama-spain.org/


長崎トラベルスタディ 参考文献 [トラベルスタディ]

トラベルスタディ: 長崎の天主堂とキリシタン史蹟

以下の文献をご紹介致します。全て早大図書館が所蔵しており、5はインターネットや書店でも購入できます。5の『長崎の教会』と遠藤周作の『沈黙』をあらかじめお読みになってからご参加頂くと、より深く建築作品を味わうことができると思います。

1. 永見徳太郎 『長崎の美術史』 夏汀堂, 1927
2. 長崎純心大学博物館編 『長崎のキリシタン遺跡』 長崎純心大学, 2004
3. 太田静六 『長崎の天主堂と九州・山口の西洋館』 理工図書, 1982
4. 前川道郎 「日本の初期カトリック教会堂」 次書収録、前川道郎 『教会建築論叢』 中央公論美術出版, 2002, 323-357
5. 三沢博昭 『大いなる遺産 長崎の教会』 智書房, 2000

以下のホームページは信者の方が作ったもののようですが、長崎の教会を網羅しており、たいへん参考になりました。 http://www1.odn.ne.jp/tomas/

関連記事: http://blog.so-net.ne.jp/yosb/2006-03-09-3


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